気が付けば肌が黒ずんでいて、ショックを受けたことはありませんか?
お尻やひじ、ひざ、ワキなど、普段気にして見ていないところが黒ずんでいることが多く、一度黒ずんでしまうと、なかなか改善できないのが困りますよね。
「黒ずみはメラニンが原因になっている」というのは、知っているかもしれません。肌の下では何が起こっているのでしょうか?
黒ずみとメラニンの関係について調べました。
黒ずみとメラニンの関係
お尻やワキなどの肌の黒ずみは、メラニン色素が沈着することによって起こっています。いわゆる「色素沈着」という状態です。
黒ずみのメカニズム
黒ずみになる色素沈着は、表皮にある色素細胞から分泌された黒いメラニン色素が真皮に沈着して起こります。
外からの刺激が加わると、肌を強く保ち、肌を守るために、メラニンを生成します。メラニンは表皮の一番下の基底層にあるメラノサイトという細胞で作られます。
そして、メラニンを表皮の角化細胞に届けて、真皮を守るのです。その後、健康な肌であれば、肌の新陳代謝によって、メラニン色素は外に排出されてなくなります。
しかし、摩擦や紫外線によって角化細胞に異常が起こると、色素細胞からメラニンを作る指令が出続けてしまい、そのまま黒ずみとして留まってしまいます。
摩擦黒皮症
摩擦黒皮症(まさつこくひしょう)は、皮膚が繰り返し外からの摩擦の刺激を受けることによって、メラニンが生成され続けることで起こります。
ナイロンタオルでの摩擦、衣類での締め付けなどがあります。
通常の色素沈着と異なることは、メラニンが真皮層に入り込んでしまうことで、改善に時間がかかることです。
黒ずみになる刺激
毎日の生活の中で、肌には、黒ずみの原因となる次のような様々な刺激が加えられています。
- 衣類による締め付け、摩擦
- 長時間座る(お尻)
- ムダ毛処理(腕、脚、ワキ)
- ナイロンタオルで強く洗う
- 紫外線
メラニンは黒ずみの原因となる悪者のように扱われることが多いですが、肌を外からの刺激から守るための、身体の正常な機能なのです。
肌に刺激が加わらないようにすることが、黒ずみ対策には必要です。
黒ずみの改善方法
正しいスキンケア
色素沈着を改善するためには、メラニン生成を抑制するような美白成分が一番良いように思われがちです。アルブチン、ビタミンC誘導体などは有名で、確かにそれも大切です。
>アルブチンの効果について見る
>ビタミンC誘導体の効果について見る
しかし、肌の新陳代謝を活発にさせることも必要です。そうするためには、保湿をして肌のバリア機能を整えて、健康な肌にすることも重要になります。
刺激を減らす
黒ずみを改善するためには、まずは上であげたような刺激を極力減らすようにしましょう。無意識にしていることがほとんどなので、注意して生活することが大切です。
例えばお尻だと、座らないという日はありません。そこで、クッションを使ってみたり、下着の素材を変えてみたりと、工夫をすることができます。
>お尻の黒ずみ改善のためのクッションについて
>刺激の少ない下着について見る
紫外線も、服を通して入ってきている場合もあるので、紫外線カットの衣類を選んだり、日傘をさしたりと、対策を取ってみて下さい。
生活習慣を見直す
睡眠不足、栄養バランスの偏った食事、ストレスなどの生活習慣の乱れも、黒ずみに影響してきます。
それは、肌のターンオーバーが正常に行われなくなってしまい、メラニンが排出できなくなってしまうからです。
女性ホルモンのバランスが崩れても、メラニンの生成を促進してしまうこともあり、黒ずみができやすい状態になってしまいます。
栄養バランスを整え、ストレスをためこまないような生活を意識してみましょう。
皮膚科を受診する
色素沈着をしている黒ずみは、なかなか自分では改善できない場合もあります。摩擦黒皮症は特に改善に時間がかかると言われています。
効果が現れない場合、早く効果を出したい場合は、皮膚科を受診してみましょう。
自分ではわからなかった原因を見つけてもらえるかもしれません。症状に合わせて薬を処方されることもあります。
また、レーザー治療やピーリングなど即効性のある治療も選ぶことができます。
ただし、レーザー治療やピーリングのように保険適応にならない治療もあるので、コストがかかるというデメリットはあります。
>レーザー治療について見る
>ケミカルピーリングについて見る
黒ずみとなるメラニンを減らそう
黒ずみにはメラニンが大きく関わっています。肌に紫外線や物理的な刺激が加わることで、肌を強く守るために、メラニンが生成されます。
そのメラニンが正常な肌のターンオーバーによって外に排出されれば、黒ずみになることはありません。
しかし、刺激が加わり続けたり、異常が起きたりすることで、メラニンの生成が止まらなくなってしまい、色素沈着の状態になり、黒ずみになります。
摩擦黒皮症のように、真皮の下にまでメラニンが入ってしまうと、なかなか改善されなくなってしまいます。
黒ずみを治すためには、まずはメラニンが作られないように肌への刺激をなくすような生活を意識してみましょう。
そして、なかなか改善しない場合は、皮膚科への受診も良いでしょう。黒ずみになるメラニンを減らす努力をしてみませんか?